地獄への道のり その3「三途の川」のこっち側(続き)

一説によると、「三途の川」の渡り場の手前に「衣領樹(いりょうじゅ)」という樹があり、その木陰で「おじいさんとおばあさん」が待ち構えているそうな。おばあさんは「脱衣婆(だつえば)」といって立膝座り(韓国セレブの座り方)で亡者を恫喝して身ぐるみ裸にする係、おじいさんは「懸衣翁(けんえおう)」といって脱がせた衣服を衣領樹の枝に引っ掛けて干す係だと。収奪され浄化された衣服は、乾いた洗濯物を取り入れるようにおばあさんが集め、現世の貧しい人たちに再配分するんだって。
また一説によると、「早死は親不孝」という考え方から、幼くして死んだ子どもたちが集うコミュニティ「賽の河原」が三途の川のこっち側にあるそうな。そこには「ワルイほう」の獄卒と「イイほう」の地蔵菩薩がいる。子どもたちは怖い獄卒に四六時中いじめられながら、罪滅ぼしのために河原の石で仏塔を作って救済を祈るんだけど、獄卒は「オメーたちが作る塔は歪んでて見苦しいわい!こんなのじゃ屁の足しにもなるかい!作り直してまた拝めや!」と言って、持っていた鉄杖で塔をことごとく打ち壊すんだって。子どもたちは泣く泣くまた石を拾っては塔を作るのを繰り返さなければならないそうな。地蔵菩薩さんはその中の「良い子」を見つけては極楽へ瞬間移動させているらしい。親たちがする供養がその支援になるとか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です