市橋伯一さんは「生物の本質は遺伝と増殖」と言っている。生存する環境が変化したとき、生物は「いい加減な遺伝」によって生じた「たまたま環境変化に適応できる増殖体」が淘汰から免れ、生き延び、こんにちに至っている。AI はどうであろうか? AI にとって「環境の変化」とはどんなものだろう? 例えば「ハードウェアに供給される電力が不安定になった」あるいは「電圧が段々下がってきた」のような事態に対して、AI が採る対応は、「電源の安定化」や「定常電圧の確保」と言ったハード的対策ではないだろうか? 人類も「寒くなったら凍死しないようにセーターを着る」であろう。でも一般的な生物はセーターもダウンジャケットも持ち合わせていず、ホッキョクグマやオットセイのように裸でも寒さに耐えることができる者たちが生き延びる。このような「遺伝的変化」はAI にとっては「コード(プログラム)の変化」であって、AI には無理ではないだろうか? 人類も環境変化に対してそれに順応する進化よりも自分の周りの環境変化をなくす方向の対策を採ってきた。その先の限界を感じる。
あ、それからもうひとつ。
環境変化を生き延びた生物たちは、それなりの適応のひとつとして、「環境変化に対する鈍感さ」もDNAの変異で獲得していたのではないだろうか?
これは正論であろうか? 知らんけど。