という本(更科功著、講談社)を読んでいる。地球が出来てから約46億年だけど、カンブリア期というのは古生代で、5億2900万年前から1500万年続いた期間。考古学的に多様な形態の「動物」が一斉に出現したので「爆発」と呼ばれている。しかし、DNAレベルではその1億年前あたりから多様性が蓄積されていたという。じゃあなぜ「爆発」なのか? それは「捕食者」の出現だそうだ。それまでの動物はすべて、植物や水中・水底に漂っている非生物を摂取しながら穏やかに生きていたけど、ある時、「生きている動物」を摂取する「プレデター」が初めて出現したそうな。喰われる者は防御に勤しみ、喰う者は更に破壊力を増し、被捕食者と捕食者が軍拡競争に陥り、動物形態多様性発現の「爆発」となったんだって。
市橋さんの「増えるものたちの進化生物学」の「増えて遺伝するもの」という執着と考え合わせると、「動物の業」って何だかいやだなーと思う。